九州大学 大学院工学研究院 材料工学部門

研究設備 (Facilities)

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熱天秤と発生ガス分析装置
(Thermobalance with gas analysis)

固気反応速度の解析手法として当研究室では,主に熱天秤を使用します.この装置は測定試料を所定の雰囲気において測定温度まで加熱することが可能な「雰囲気制御型縦型加熱炉」と,その上部に設置され下方へ吊り下げられた試料重量を測定するための「電子天秤」によって構成されています.加熱炉としては一般的な電気抵抗炉の他に赤外線イメージ加熱炉を用いて,数百℃/minといった比較的急速な昇・降温が可能なシステムも所有しています.
実験温度は800〜1300℃程度の比較的高温が可能で,実験雰囲気は,製鉄プロセスを模したCO-CO2-H2-H2O-N2といった混合ガスでの制御も可能としております.また試験中の試料重量変化測定と共に固気反応の結果発生するガスのその場測定が可能です.ガス分析にはCO/CO2発生量の測定には赤外線式ガス分析装置を用い,その他のガス種については四重極質量分析装置を用いて分析することが可能です.

図1 赤外イメージ加熱炉を用いた熱天秤

図1 赤外イメージ加熱炉を用いた熱天秤

図2 水蒸気発生装置

図2 水蒸気発生装置
 

図3 赤外線式ガス分析装置

図3 赤外線式ガス分析装置
 

図4 四重極質量分析装置
 

図4 四重極質量分析装置

タイヤ型ペレタイザーと圧壊強度試験装置
(Tire type pelletizer and strength test)

鉄鉱石造粒物の強度を測定する研究において,提供された粉状鉄鉱石を造粒するために当研究室ではタイヤ型ペレタイザーを使用します.軽自動車用のタイヤを使用しておりタイヤの内容積が小さいため,試料重量500g程度の比較的少量での試験に適しています.タイヤの回転速度及び添加水分量を調整しながら造粒物を作製します.作製された造粒物は卓上の引張試験装置を用いて,上方から加える荷重を増加させた際に,造粒物が破壊される強度を測定します.

図1 タイヤ型ペレタイザー

図1 タイヤ型ペレタイザー

図2 卓上引張り圧縮試験装置

図2 卓上引張り圧縮試験装置

赤外線イメージ加熱炉を備えた共焦点走査型レーザー顕微鏡
(Confocal laser microscopy with infrared image furnace)

赤外線集光加熱炉と共焦点走査型レーザー顕微鏡を組み合わせて,高温加熱条件下においてその場顕微観察を可能とした装置です.通常,1000度を超える高温条件下における試料の顕微観察では,試料そのものからの輻射光が,その表面観察を妨げます.本装置では共焦点型光学系を用いて,焦点以外からの不要な光をカットし,輻射光よりも高輝度のレーザー光を観察用光源として用いることにより,高温直接観察を可能にしております.当研究室では本装置を用いて,製鉄プロセス内において1200℃以上の高温で発生する,鉄の溶融挙動及び,鉱石起因のスラグの溶融挙動を直接観察により解析しています.

図1 赤外線イメージ加熱炉を備えた共焦点走査型レーザー顕微鏡

図 赤外線イメージ加熱炉を備えた共焦点走査型レーザー顕微鏡

マイクロ波加熱装置
(Microwave heating device)

マグネトロン発振方式のマイクロ波加熱炉装置であり,電場と磁場を同時に照射するマルチモードと,筒状のキャビティーに交換することよって定在波を発生させ,電場と磁場を分離したシングルモードによる加熱が可能な装置です.当研究室では,炭素がマイクロ波の優秀な吸収体であることに注目した,炭材内装塊成鉱の炭熱還元に応用や,磁性を帯びたマグネタイト鉱石のみをマイクロ波で加熱した条件下において,水素を用いた還元反応を解析しています.特にマルチモードの加熱条件では石英製の試料ホルダー及び吊り線を利用することにより,熱天秤と組み合わせた,反応に伴う重量変化測定をも可能にしています.

図1 マグネトロン発振方式のマイクロ波加熱装置

図1 マグネトロン発振方式のマイクロ波加熱装置

図2 熱天秤との組み合わせによるマイクロ波加熱条件下における重量変化測定

図2 熱天秤との組み合わせによるマイクロ波加熱条件下における重量変化測定

急速昇温・急速冷却が可能な荷重軟化試験装置
(Softening and melting simulator with rapid heating & cooling condition)

従来の荷重軟化試験装置とは異なり,試料の軟化溶融挙動の解析にのみ注力することを目的として作製された装置です.赤外線イメージ加熱炉および急冷チャンバーを利用することによって1000℃/min以上での昇温・高温が可能となり,例えば任意の還元率まで予備還元させた鉱石の1000℃以上における軟化収縮挙動を評価することが可能です.本試験装置では,ガスの流入量や荷重の大きさを設定して,試料高さの変位量,試料層を通過するガス流の圧力損失の測定を行うことが可能です.

図1 急速昇温・急速冷却が可能な荷重軟化試験装置

図1 急速昇温・急速冷却が可能な荷重軟化試験装置

図2 赤外線イメージ加熱装置と急冷チャンバー

図2 赤外線イメージ加熱装置と急冷チャンバー

図3 試料ホルダー寸法

図3 試料ホルダー寸法

分析装置類
(Analyzers)

固気反応の反応特性を評価するのに必要な情報を得るための「粒度測定装置」や「比表面積測定装置」,鉱物相の同定に必要な「X線回折測定装置」(高温アタッチメントにより1600℃まで昇温可能),昇・降温に伴う相変態を重量変化と共に測定する「赤外線加熱方式TG−DTA」,主に炭素の反応特性を評価するために用いられている「顕微ラマン分光測定装置」,対象サンプル中の炭素濃度・硫黄濃度を定量するための「C/S同時分析装置」などは,当研究室で独自に所有しており,これら諸分析値と合わせて反応の解析を行います.

図1 粒度測定装置(Shimadzu, SALD-3100)

図1 粒度測定装置(Shimadzu, SALD-3100)

図2 比表面積測定装置(Shimadzu, Gemini)

図2 比表面積測定装置(Shimadzu, Gemini)
 

図3 X線回折分析装置(Rigaku, SmartLab)

図3 X線回折分析装置(Rigaku, SmartLab)
 

図4 赤外線加熱方式TG−DTA(Netzsch, TG-DTA2000SE/IR)

図4 赤外線加熱方式TG−DTA(Netzsch, TG-DTA2000SE/IR)

図5 顕微ラマン分光測定装置(Horiba, XploRA)

図5 顕微ラマン分光測定装置(Horiba, XploRA)

図6 C/S同時分析装置(Horiba, EMIA-320V2)

図6 C/S同時分析装置(Horiba, EMIA-320V2)

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