国家プロジェクトへ参画：製鉄技術に関する環境調和型プロセスの開発

鉄鋼業は我が国の産業部門の中で最大のCO₂排出業種であり、その中でも特に排出量の多い高炉法による製鉄プロセスにおいては地球温暖化対策として抜本的なCO₂削減が要求されています。 我が国の製鉄技術は、既に世界最先端の水準にあり、廃熱や副生ガスの利用による省エネルギーが極限に達しているため、世界規模でのCO₂削減を実現するためには革新的な製鉄プロセス技術開発が必要です。当研究室では本国家プロジェクトに対して以下の2つの課題について取り組んでおります．

水素還元等プロセス技術の開発

コークス製造時に発生する高温のコークス炉ガス（COG）に含まれる水素を増幅し、コークスの一部代替として用いて鉄鉱石を還元する技術開発に参加しています。

図１：水素還元等プロセス技術の課題

フェロコークス活用プロセス技術開発

製鉄プロセスの一部である製銑プロセスにおいて、一般炭と低品位鉄鉱石の混合成型・乾留により生成されたフェロコークス中に含まれる金属鉄の触媒作用を活用して、高炉内の還元効率を飛躍的に高めることで、従来よりも高炉内に入れるコークス量を削減することができる省エネルギー技術の研究開発に取り組んでいます。

図２　フェロコークス技術

ゼロカーボン製鉄プロセスへの挑戦

高炉に依らない全く新しい水素100%製鉄技術開発に向けた国家プロジェクトに参画しています。